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モリオン morion quartz
わたしの目は黒いので 辺り一面の光景がどれもきらきらと輝いて映りこんでいた。 陽光のもとで茶褐色に見えたら、モリオンというよりはただの煙水晶のようだ。 「鞄が開きっぱなしですよ。」 「また紐がとれていますよ。」 「あ、ほんとだ。」 「教えていただきありがとうございます。」 外側というものはよく映す鏡。 だから、なにかに気づかされてから居住まいを正すのにそう時間はかからない。 すくなくとも、 花が咲いたら咲いたと判るし、 雛がいなくなれば皆巣立ったと判る。 壁にぶつかれば痛い。 しかし、"心"というものはどうだろうか。 外側から決して見ることのできない、自分の内側にあるものは。 そこに、たとえ何かきらきらと芽生えていたとしても、不可視ということはそれが成長しはじめたのか、枯れてしまったのか、判別がつけられないということ。 身体はすっかり成長しても、 心の中はあたたかい卵の殻の中にあるかもしれない。 もしくはすでに飛び立ってそこにはいないかもしれない。 なにかわかった気になれたとしても、 結局はわからない。 わからないものは、 どうすればいいかわから
3 日前読了時間: 3分
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