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曇天に花の散りゆく Flowers fall on a overcast

  • 4月5日
  • 読了時間: 1分

更新日:5月3日


きみが虚ろな目でぼんやり空を見ているとき、


なんと声をかけたらよいだろう。


なんと、声をかけても、仕方がない


ような気もした。


そんなことを考えていたら、


目の前を通り過ぎてゆく


黒い電線


烏のはばたき


田園の風景


枯れ草の一本


景色のすべてが静止してしまった。


白と灰色だけの空


その下方に見えた雲。


" なんかあの辺だけ雲が変だね。 "


指を指した。


独り言のようだった。


紙に擦った墨の跡みたいな細長い雲。


この空とおんなじ色したイヤホンつけて


貝殻みたいに目を閉じたきみは、


今日は何処かへ出かけているのだろう。


       |


ひと眠りしてきみは戻ってきた。


灰色は過ぎ去り


風に押されてかたちを変えてゆく


雲と雲の間をすり抜けながら


陽光が差し込みはじめる。


丘の向こうには


桜と見紛う満開の白梅が


風に吹かれながら花を散らしていた。




"春は再生の季節なんだ。"









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