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或る日の切れ端 The piece of the day

  • sotonoin
  • 2 時間前
  • 読了時間: 1分

春は弱火でじっくりと煮詰めているキャラメルのように、しばらくは明るいままで、ゆったり、ゆったりと日が暮れてゆく。


外靴を脱いで、台所へ向かい、水道からその辺のグラスに半分くらいの水を注ぎ、食パンを一切れ皿にのせ、やっと腰を下ろした瞬間に、身体じゅうの疲れが鉢植えの底から溢れ出てきた水のように流れ出す。


さっきよりも暮れてきた。


食パンを手に取って焼かずに一囓りすると、強く酵母の味がじんわりと広がった。


(パンはいきものなんだよなあ。)


少し煮詰めすぎたくらいのブラックカラントのジャムをスプレッドして、クリームチーズを大きめのスプーンひとすくい乗せるか、端の焦げたチーズもいい、ベーコンのオイルがたっぷり滲んだオニオンスープに浸してもなあ‥と、


食べ終わるまでひとり、あらゆる心象に耽った。


そして


そのまますぐさま眠りこんでしまった。

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