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透明な問題集 Transparent workbook

11 分前
読了時間: 1分

「道半ばの問題なんて問題ではないよ。」


一旦ペンを置いて彼は答えた。


コーラの入った紙コップはたっぷりと水滴を纏って、白いペーパーナプキンに円を描き出していた。


「ひとつの問題を解き終わって、はじめてその問いは全貌を現す。」


「そ、じゃあ僕の前には何の問題もないってわけ。」


「どんなに分厚かろうが、開かなければそれは透明な問題集にすぎない。」


「確かに、まあ、そうだとも。」


よれた紺色の鞄を持ち、"お手洗いに。"と言ったきりもう戻らないだろう彼を置いて、彼はガラス板一枚向こうの闇と対面しながら、ひたすらに目の前の問題と向かい続けた。


何かの命題に決着がついた時、はじめてその人にとってオーダメイドの道が示される。


それから彼が新しい問題集を買うことはなかった。

そして彼も。





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