未来へ to the future9月16日読了時間: 1分"よかったらこちらを飲んでみてください。""なんですかこれは。"唐突に、ショットグラスのような小さな黒い器に入った液体を手渡されて揺らしながら匂いを嗅いでみる。コーヒー、ではない。お酒、でもない。そこまで目立った香りという香りもなく"なんですかこれは。"おそるおそる口にしてみるとうっすら鉄のような風味に少しだけまろやかな甘さも感じた気がする"これは一体なんなのですか。""その辺の水道水です。"
アンバー amber玉石混交の想い 粉々 両手で掬って 薄い紙の上に さらさら 銀のポットから 熱いお湯を ゆっくりと注いだら ほら 息をするように ゆっくりと膨らんで 香りだす 少し苦くてもいいでしょう ほら 黄昏の海のような 色をして
眺望 The hoped sceneryツバメの墓碑の真上に かつてありしは 金々宝飾の像 誰よりも高く 愛を見据えて 何もできずに立ち尽くした 日々の形跡は 今朝も雨に変わり 冬の霜のように 土を覆う この青空の下 白い鳥が群れをなし 鐘の横をすり抜けて あなたが机に向かい ひいた椅子の音 鼻をすすって 纏う外套のナイロンが擦れては すこしして温かい 今日の珈琲は 時計塔の香りがした