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静寂の時間 no.7

  • 3月7日
  • 読了時間: 3分

更新日:3月8日


未晒のペーパーフィルターみたいな色合いになってしまった文庫本を読む。


ここで一息つくなら、目覚ましのモロッカンミントを添えた青リンゴのソーダが飲みたい。


アイスものせて。


そろそろ暖かくなってきたのでメニューにしてもいいかもしれない。


閉店後にメニュー用の写真を撮ってから、アイスの溶けないうちにサイダー休憩。


もうカーテンを閉めていたので外は見えないけれど、青白い日暮れがどことなく静かな海辺の情緒を感じさせた。


【方程式 An equation】


絵を描いていると、よく作品の写真を見せて、と言われる。


どこにでもある会話。


学生の頃に図書室か教科書かどちらかでヴァルター・ベンヤミンのアウラというものを知り、写真を撮るとその美術品の持つ霊感のようなものが逃げていくような気がしていたので特別な理由がない限りは絵の写真を無闇に撮るのは好きではない。


とはいえ、現実はポートフォリオを作ったり、寝たきりのおじいさんに見せたり、簡潔な日常会話の中でなど、ありとあらゆる場面で写真スタンダードな時代になっているので、作品の写真も状況により撮らざるを得なくなった。


そのうち、実情に感化され、見て見てと写真を撮る有様、アウラはすっかり消滅しているに違いない。


作品の写真を撮りたくないと伝えれば、幾度となく、なんでなんで地獄に落ちてきた。


そんな時、"アウラが消えるので..."なんてストレートに説明しようものなら、容赦なく変人直行快速にご乗車くださいとご案内。


瞬時に意味わかんない人の烙印を押される。


ま、押されてもべつに構わない。


ルネ・マグリットも装飾美術や広告が嫌いだと言っておきながら商業美術の仕事をしていた。


だから、もはや逐一、理由や好みなんて、あまり気にする必要はないと思っている。


なんでそうしようとしたんですか?


どう思っていますか?


なにを考えていますか?


万物は流転する、とヘラクレイトスも言っていて、行く川の流れは絶えずして‥と鴨長明も言っているのに人の行動ひとつひとつに不変の理由なんてあるものか、と、思ってしまう。


そう要求する彼らの頭には数式が入っているのだろうか。


"確かな答え"という快楽を求めているのだろうか。


それは脳ではなく計算機の複製品なのではないだろうか。


あの人はああいう人、あれはこういうこと、こうだからこうなる、という計算結果と統計学、謎の奇妙な振り分け作業。


What are you thinking?


"nothing, my lord."


私は変数が好きだ。

そして変数が定数に変わる瞬間を待つことも。



そんなことを考えているうちに、もうとっくにグラスは空になっている。


この時間に、甲斐(解)なし。











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