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静寂の時間 no.2

  • 1月6日
  • 読了時間: 2分

メイラード反応により


茶褐色の鉱石を生成する日々を過ごす。


すべての人にとって必ずしも必要なわけではない風味豊かな飲み物は


光の透過でさまざまな赤色や琥珀色の様相を呈し


手元のカップに注がれれば


ぬばたまの鏡面になる。


手元に自分の選んだ直火式の小型焙煎機。


しばらくして私はこれで大体満足した。


火加減を読み取りながら焙煎しているそのときの感覚は


火のかみさまと対話をしているようで


とても楽しい。


蝋燭の静かで美しい趣きとは違う


ガス圧の動的なエネルギー


豆のカシャカシャと鳴る一定のリズム


それは演舞の一幕のよう。


心の師が人の火入れ時は60を過ぎてからはじまると言っていたけれど


遠路遥々旅をしてここまで来た生豆とともに


その都度未熟な精神に火入れをする。


落ち込んだこころ

怒ってしまったこころ

調子に乗りすぎたこころ

疲弊したこころ

悲しんだこころ

悩んだこころ

執着しすぎていたこころ

愚かなこころ

無知なこころ


日々発生したものをいちいち細かく拾い集めて着火し、決別する。


楽しかったことは何か

なくしても大切なまま変わらないものは何か


どんな香りがするのか

どう変化するのか。


柔らかくて傷つきやすい細胞がハゼを繰り返しながら硬質なガラスへと化してゆく。


コーヒーは二度ハゼながら


黒硝子となりて。


もうすぐどんと祭。


昨年の間に享受した、たくさんの感謝を天に還そう。































 
 

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