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フローライト Fluorite

  • 6月16日
  • 読了時間: 1分

昼下がり


真夏の青い空の光


モンシロチョウ


窓辺に腰掛けてひとやすみするプロフェッサー


薄暗い研究室


本棚ごと日焼けして薄黄色い書物たち


煤けて折れ曲がったブラインドに羽虫がとまる


節電だとかなんだとか、阿呆らしい


おかげでここは納屋のようだ


土産物


造りの立派な海外製の化粧箱から


花びらのように薄い


ラベンダーの練り込まれたホワイトチョコレートを1枚取り出して齧る


窓の外


自転車のベルを鳴らしながら


畔道を走ってゆく子どもたち


新聞の上にあるプラスチックのうちわ


「こんだけ暑いとなにもやりたくないね。」


茶色い染みが幾重にも層をなす大きな白いマグカップに


三時間前のぬるい作り置きコーヒーが注がれる


"つめたいミントティーなんかだったら、洒落てていいのにねえ。"


しかしここにはこれしかない


そして戸をたたく音


「はい、どうぞ。」


見知った声


「教授、これから気分転換にお散歩でもどうでしょう。」


「こんな天気だから行きたいけどね、こう見えて今週は立て込んでいてね。」


「おさそいありがとう。」


紙の山


ひとやすみが終われば


この空がラベンダー色になるまで


作業は続くだろうね





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