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やはり本が好き no.2

  • sotonoin
  • 2025年11月14日
  • 読了時間: 3分

休養期間に手つかずだった仕事を少しずつ片付けていると、あっという間に日が暮れてしまう。


最近はすこし疲れたら静かにして好きな本を読むことを自分へのご褒美にしています。


韓非子は分厚いので適当に開いておもしろい噺が出てきたらその頁から読みたいとこまで読みます。


外諸説左上という章のなかで、"白馬は馬にあらず"ということばに目がとまり、どういうことかと読んでいきました。


児説(げいえつ)という人が説いた、"馬はすべてが白いわけではないから白馬は馬ではない"という弁で学者たちを圧倒したことらしいのですが、それで白い馬に乗って関所を通った時に馬税を払わされたという話でした。


これを読んで、パッと頭にキーファ・モケーエウィチというワードが浮かび上がりとっさに本棚へ。


トルストイの人生論へ乗り換え発進。


人生論の序章にもおもしろい噺がいくつかあり、その中でキーファ・モケーエウィチという人が、"もし象が卵からかえるとしたら象の卵の殻はどのくらいの厚さになるだろう"と考えた話、そして、"象の卵の殻を打ち破るにはどんな火薬が必要だろうか"という考察をしている話が出てきます。


そのようなおもしろいけどわけのわからない学説が人の思考活動を誤った虚しい方向へ向けて破滅的影響をもたらす。

というトルストイの例を用いた問いかけです。


この白馬の話と象の卵の話を読みながら、自分にも思いあたる、そんなこと考えて実際にそうならないだろうになんて虚しいことを、という苦い経験をいくつか思いました。


たとえば、算数の宿題を出されて、これを解いたから将来何の役にたつのかという理由を沢山考えてさっぱり宿題が進まないのなら、その変な理由を考える労力で問題を1問でもいいから解けばよかったこと。


歯医者で変な治療をされたらそれを治すのにさらにお金と時間がかかり、めんどくさいことになる。と思い立ち、もったいないから歯医者へ行かないように電動歯ブラシやフロスやはみがきガムをはじめあらゆるものを試してかえって出費になってしまったこと。


どちらにせよ、子どもの頃のよくある屁理屈なのでそう考えるのは仕方がないのですが、一生そんな考えでは虚しいぞ、実際どうなったか考え直して反省しよう。とトルストイは訴えてくるわけです。


韓非子も口先の空論より実際のことをよく考えようと訴えているわけです。


こうしてわたしの頭からは過去のいくつかの詭弁や屁理屈が整理されて少し身軽になります。


ー読書は発見と気づきに直結すれば頭を軽くしあらゆる問題から心を解放する。悩みに直結すれば思考から全身を蝕む。ー 店主語録より


しばらく本に没頭するあまり頭が乗っ取られそうになった時期もありましたが、自分の経験と著者の考えを参照させながら適度に読書することを覚えてから本との付き合い方も良好になってきた気がします。


寝る1時間くらい前から文字がメインの本を読むと、適度に疲れてすっと眠れるのでおすすめです。


白すぎる紙よりも適度にクリームや茶色みがかった紙の本だと目に低刺激でよいと思います。


コミックはおもしろすぎるとかえって覚醒してしまうので寝る直前はおすすめしません。


一時期、宮沢賢治中毒症状を起こしてとても長い間、副作用に苦しみました。わたしにとって賢治さんは太宰治よりも何倍も強い毒素をもっていました。


いまはイーハトーボ後遺症も少しずつ治まってきていますが、日本の近代文学は少し自粛しています。


この話はいつかまたどこかで。








 
 

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